篠楽研の大谷です。
お囃子会に初めて参加した日、私は篠笛を構えることもおぼつかなくて、ただ息を入れてもスーッと抜けるだけ。音が出ません。
それでもその日のうちに、楽譜を渡されました。
「これでとりあえず、運指の練習をしてみてください」と。
正直、内心は「いやいや、音が出ないのに運指どころじゃないですよ」と思いました。 でも、これがお囃子の文化なんだと、後から気づくのです。
地域のお囃子は、ひとりで習得するものではありません。 祭りの本番に間に合わせて、みんなで一緒に練習する。 だから音が出るのを待っていたら、楽譜の進度に追いつけない。 先に運指を覚えておく、というのは合理的な手順だったのです。
それでも、入門したばかりの人にとって「音が出ない」は壁です。 吹場鳴蔵(ふけばなるぞー)は、その壁を一歩越えるための道具です。