ふたりではじめた #5

なぜ大谷さんに頼んだのか

3Dプリンタの画面に表示された「Adaptor」の造形データと残り時間。ガラス越しにオレンジ色のパーツが印刷されている

篠楽研の和田です。

最初の試作を1時間で印刷してくれたあと、私たちはいっしょに「そもそも、なぜ篠笛は音が鳴るのか」を研究し始めました。

仕組みが分かれば、もっと改善できる。 大谷さんは発音の原理を調べ、3D CAD を使って吹場鳴蔵(ふけばなるぞー)をかっこいい形状に設計してくれました。 息のジェットの角度、出口の形、息が通る経路の形状。 そういうものを一つひとつ設計していく姿を見て、私は確信しました。

この人になら、「こういうものを作りたい」と正確に伝えれば、必ず形にしてくれる。

そう思えたから、私は安心して自分の役割に集中できました。 私は笛を吹く側です。試作品を実際に吹いて、その感触や音を聞き、目的に合っているかを判断する。 お互いに、得意なことに専念できる。

「この人なら作れる」と思った理由は、技術力だけではありません。 篠笛そのものをきちんと理解しようとする姿勢でした。